top of page

証券モニタリングの概要について

証券モニタリングの役割については、市場の公平性・透明性を確保し投資者の保護を図るために、証券モニタリングを通じて、金融商品取引業者等が自己規律に立脚し、法令や市場ルールに則した業務運営を行うとともに、ゲートキーパーとしての機能を発揮するなど、市場仲介者としての役割を適切に果たすように促すものです。

取り組みとしては、対象業者である7,200社に対し、「オフサイト・モニタリング(ヒアリングや資料提供)」によるリスクアセスメントを行い、その結果で選定した業者に対して「オンサイト・モニタリング(立入検査)」を行い、行政処分をもとめる勧告や、業務運営体制について改善が必要と認められた場合については「留意すべき事項」を検査終了通知書に記載することで改善に向けた取り組みを促すものです。

オフサイト・モニタリングの項目については、業者のカテゴリにより異なりますが、ガバナンス体制の構築に向けた取り組み、ビジネス戦略/取り組みの状況、内部監査/コンプライアンス体制、利益相反管理体制、リスク管理などが挙げられますが、ここでは、オンサイト・モニタリング(立入検査)について言及します。

 

オンサイト・モニタリング(立入検査)の状況について

平成30年度のオンサイト・モニタリングは、11業者に対して行政処分を求める勧告、29業者に対して問題点の通知を行なっています。

勧告の原因としては、主に下記が挙げられます。

 

  1. 顧客の高齢化などもあり従来のビジネスモデルの持続が困難

  2. 経営陣による内部管理プロセスへの関与が十分ではなく、体制構築が十全に図られていない

  3. 代表者が会社の収益向上を優先し、法令等遵守意識、投資者保護に対する意識が著しく欠如している

  4. 金融商品のデューデリジェンスや継続的なモニタリング等の重要性を経営陣が認識していない

また問題点の通知の具体的な事例については、下記が挙げられます。

  1. 社外取締役に対する支援体制の改善について

  2. ビジネスモデルの転換に際しての経営管理体制等の検証が必要

  3. 新商品導入に際しての内部管理態勢の検証が必要

 

コンプライアンス担当者が考慮すべきこと

証券モニタリングのオンサイト・モニタリング結果からの考察としては、下記の通り、まず会社としての意識、体制面で内部管理体制が取れるのかという根本の部分が問われています。

よってコンプライアンス担当者だけではなく、経営陣、その他関係者との、下記に挙げられるポイントの問題意識の共有が重要になります

  1. 経営陣の意識の問題

  2. 社内検査・内部監査が十分に行われていない

  3. 販売会社として発売会社の金融商品や発売会社の運営の審査が不十分

  4. 犯罪収益移転防止法の知識、理解不足

  5. コンプライアンス機能を発揮できる人員を配置していない

 

一方、低金利政策の影響を受け、少しでも利率が高い商品を望む投資者、特に高齢顧客に金融商品の持つリスクを十分に説明していなかったり、勧誘の適切性が問われるケースも増えてきています。

当ファームでは、下記のサービスを提供しております。すべての項目又は個別項目だけという様々にニーズにご対応できる態勢をご用意しておりますので、何でもご相談下さい。

 

金融コンプライアンスサポート・サービス

  1. 法令等遵守の観点から業務実態の把握及び検証

  2. コンプライアンス態勢構築及び指導

  3. コンプライアンスマニュアルの作成・管理指導及び補助

  4. コンプライアンス研修の定期的な実施

  5. コンプライアンスに関する報告書の定期的な作成、及び提供

  6. 日常業務におけるコンプライアンスチェック、トラブル発生時の対応

  7. コンプライアンスに係る相談業務

  8. 上記以外のコンプライアンス業務に必要な事項

bottom of page